近年、病院サイトとは別に研修医の採用サイトを制作する病院が増えています。
研修医の声、病院情報、研修プログラムといったコンテンツを掲載するのが一般的ですが、学生が本当に求めている情報を提供できているでしょうか?
「レジナビ」のブランドのもと、20年近く研修医・医学生と研修病院をつなげてきた私たちだからこそわかる、研修医採用サイト制作のポイントをお伝えします。
採用サイトのポイントは2つ
「民間医局」が開催するレジナビフェアでは、来場者(医学生)にアンケートをとっているので、リアルな学生の声を聞くことができます。
学生が研修先を選ぶ基準として、毎回上位にあがるのが「雰囲気の良さ」です。
しかし、ただ一言「雰囲気の良い職場です」と書いたとしても信憑性はありません。具体例を出しましょう。
また、雰囲気の良さばかり伝えて、採用後のミスマッチが起こってしまうのは避けたいところです。そのためには、この病院が自分にあっているかどうかを学生が判断できる情報を病院が出してあげることが重要です。
つまり、採用サイトで大事なポイントは以下の2つになります。
- 研修先の雰囲気の良さを具体的に伝える
- 学生が自分にあった病院かどうかを判断できる情報を提供する
それぞれのポイントを踏まえながら、コンテンツを効果的に魅せる方法を解説します。
効果的なコンテンツの見せ方
■研修医・専攻医の「声」を紹介
職場の雰囲気は、具体的なエピソードを交えて伝えるとよいでしょう。
「研修医・専攻医の声」は、年齢の近い同世代の感覚として読み手(医学生)が感情移入しやすく、イメージをしやすいため、単なる情報の紹介よりも数段上の訴求効果があります。
研修医・専攻医が「なぜこの病院を選んだのか?」「どのような雰囲気なのか?」「指導医の先生はどうなのか?」「研修プログラムや教育体制はどうなのか?」などを語っていただくことで、読み手が自分がどのように働き、研鑽を積み、成長できるのかをイメージしやすくなります。
特に効果的な「声」の紹介方法として、最近では「動画」による発信も注目されています。動画は雰囲気も伝えやすいなど文字情報以上の情報量をリアルに届けることができます。
■病院長・指導医からのメッセージ
どのような研修医を採用したいのかというターゲットを明確に伝えることで、マッチングの精度も上がります。
病院長や指導医から病院の特徴や研修情報、どのような人材を求めているのかなどをメッセージとして発信し、欲しい人材や病院の研修体制に適したターゲットに届けます。
■研修プログラムの紹介
初期臨床研修制度は厚生労働省によって、必須診療科目や4週以上の研修が制度化されており、これはどの病院で研修をしても変わりません。
学生が知りたい情報は、「ローテ―トする順番が決まっているかどうか」、「途中で目標が変わってもプログラム変更の融通が利きやすいのかどうか」、「特定の診療科の研修が自院でできるのかどうか」など、病院独自のプログラム内容、特徴であり、こうした部分をしっかり紹介すると良いでしょう。
また、初めての社会人として不安の大きい初期研修医にとって、入職後のオリエンテーションの内容も知りたい情報であり、オリエンテーションの紹介も各病院の独自性を訴求できるポイントになります。
■病院機能・病院データ
病院側が採用に効果がないと思っているようなデータでも、全てが初めてのことで不安を抱える学生にとっては研修先を判断する貴重な材料です。
ここを正直に出すことで、採用後のミスマッチを防ぐことに繋がります。データと合わせて、言葉で病院の特徴を付け加えられるとなおよいでしょう
(例:忙しいがその分経験が積める / 自分のペースで勤務できる)。
例えば…
- 年間救急搬送件数、救急外来患者数、当直回数
⇒平均値と比べることで病院の忙しさや、自分が積める経験値を測ることができる
- 当直開始時期
⇒開始時期を知ることで心構えができる
- 当直時の勤務体制
⇒研修医以外の当直医が何人いるのか、バックアップ体制を伝えることで安心感
- 男女比
⇒事前に男女比がわかっていることで安心できるという女性の応募者も
こうした訴求したい情報、データは、視覚的に表現した「インフォグラフィック」を用いて紹介するとより効果的です。
■病院設備
あたりまえと言ってはなんですが、自分たちが働き、生活することになる環境の新しさや綺麗さについても、学生たちは敏感です。もし、病院や寮がリニューアル直後であれば積極的にアピールすると良いでしょう。
設備としては、専用の研修医室があるのならリラックスできる環境があることを訴求できますし、全ての医局が一緒であるなら他科とのコンサルがしやすいなどの魅力を訴求することができます。
また、院内に保育所などの施設が備えられていれば、女性医師が安心して働ける職場であることのアピールになります。
■病院見学情報
「見学のお申し込みはこちら」でフォームに飛ばしてしまうサイトも多いですが、ここもしっかり情報を記載することをおすすめします。
まず見学に来てもらうことが、研修先を決める決め手となります。見学のハードルが低くなるように「対象学年」「交通費支給の有無」などが記載されていると親切です。
■選考ステップ(募集要項)
面接のほかに、小論文(事前提出)や筆記試験があるかどうかも気になるところです。
筆記試験があるのならどの程度の問題なのか、例えば国試レベルならそう表記することで不安はなくなります。
単に選考ステップを情報として紹介するのではなく、「当院は能力ではなく性格や意欲を重視しています」などのプラスアルファの理由を明記すると自院にマッチした人材の応募につながります。
また、「受験者数」や「採用人数(男女別)」の記載もあると良いでしょう。
百聞は一見にしかず!写真や動画で雰囲気を伝える
病院の雰囲気、研修医の様子、設備・機器、土地環境などの魅力は写真や動画で紹介することで訴求効果も大きく高まります。
研修医・専攻医の「声」を紹介する際も、「笑顔で語る研修医・専攻医」、「活き活きと働く姿」、「コメディカルと楽しく会話をしている様子」など、魅力的な写真や動画があれば文字情報との相乗効果でイメージに真実味をもたらすことができます。
多くの情報を伝える力を持つ写真、動画は非常に大きな訴求効果があり、こだわるべきポイントになります。写真撮影はやはりプロのカメラマンに頼むことをおすすめします。