パンフレットや記念誌、広報誌など医療機関ではさまざまなタイプの印刷物が必要とされています。
予算などの関係で、自分たちでデータを用意して印刷会社に依頼をしなければいけない!といった機会もあるのではないでしょうか?その際に、製本方法の選択で「中綴じ」や「無線綴じ」といった単語が出てきて戸惑ったことはありませんか?
どの綴じ方を選ぶべきかは冊子の目的や用途によって異なるので、ここを抑えておかないと出来上がったものが「想像していたものと違った!」なんてことになってしまう場合も……。
そんなトラブルを回避するために、「製本方法」について解説します!
そもそも製本とは
チラシやポスターのような1枚の用紙に印刷したものを、印刷業界では「ペラ物(端物)」と呼びます。一方、書籍やパンフレットのような印刷物は、「ページ物(冊子)」と呼ばれています。
この、ページ物を作る際に、紙を綴じ合わせて表紙をつける作業を「製本」と呼びます。
さまざまな製本方法
まず、表紙にどのような種類の紙を用いるかでおおまかに「並製本」「上製本」に分けられます。いわゆる「ソフトカバー」と呼ばれるのが「並製本」、「ハードカバー」と呼ばれるのが「上製本」です。
しかし、この呼び方ではざっくりとしすぎているので、「中綴じ」「無線綴じ」「平綴じ」といった背の綴じ方でさらに分類をします。綴じ方はページ数や目的・用途に応じて選択します。
並製本~一般的で低コスト~
表紙には芯紙を使わず、中のページの部分と同じか少し厚みのある紙が使用されています。本の中の部分を表紙で包んだ簡易的な造りで、上製本に比べるとコストがかからず納期が短いというメリットがあります。
代表的な綴じ方
■中綴じ
中綴じは、見開きページの真ん中数か所を針金(ホチキス)で留める製本方法です。
メリット |
- 安価で短納期
- 少ないページ数でも製本できる
- ページを180度開くことができるので、見開きのページに大きく写真を掲載するのに適している
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デメリット |
- 強度があまり高くない
- ページ数が多い冊子は対応できない(目安100ページ以上)
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対応ページ数 |
8~64p(4の倍数) |
用途 |
会社案内やパンフレットといった一般的な商業印刷物 |
■平綴じ
平綴じは、紙の端から5mm程度の場所を針金(ホチキス)で数カ所留める製本方法です。
メリット |
- 安価で短納期
- 少ないページ数でも製本できる
- 作業工程が簡単で、自作もできる。
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デメリット |
- 中綴じと違い、ページを180度開き切ることができない
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対応ページ数 |
8~40p程度(比較的少なめ) |
用途 |
ビジネス用の資料や取扱説明書 |
■無線綴じ
無線綴じは、針金や糸を使わず印刷部分の背の部分を糊で固めて綴じる製本方法です。
メリット |
- 背表紙があり、高級感がある
- ページ数が多くてもキレイに仕上がる
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デメリット |
- 中綴じ、平綴じよりも高価で納期が長い
- 見開きを使ったデザインには不向き
- 保存状態によっては糊の部分が剥がれやすくなる
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対応ページ数 |
20p~(かなり多くてもOK) |
用途 |
文庫本、雑誌、カタログ |
上製本~豪華で保存性が高い~
「ハードカバー」という別名で知られる「上製本」は、厚手の表紙で本紙をくるむ製本方法です。上製本の表紙は本紙よりも一回り大きいものを用い、紙のほかに布や革といった素材を使用することもあります。
製作にはコストや納期がかかりますが、仕上がりに高級感があり、長期保存に適しています。単行本や絵本、記念誌、写真集、美術書などの多くは、上製本で仕上げられています。
代表的な綴じ方には「糸がかり綴じ」「あじろ綴じ」「無線綴じ」などがあります。
選び方のコツ
→少し厚手の紙(四六135kg)で中綴じがおすすめ
→情報量が多くなければA4三つ折りのリーフレットがおすすめ
おまけ
右綴じと左綴じはどっちを選べばいいの?
ページを左から右にめくるのが右綴じ、ページを右から左にめくるのが左綴じです。綴じる方向には明確な決まりがあるわけではありませんが、小説やコミックなど本文が縦書きの場合は「右綴じ」、パンフレットなど本文が横書きの場合は「左綴じ」とするのが一般的です。
まとめ
今回ご紹介したように、冊子で失敗しないためにはそれぞれのメリット・デメリットを踏まえて、最適な製本方法を選ぶことが重要です。
ページ数が少ないパンフレットなどを作るのであれば、ページの開きがよい「中綴じ」、企画書や資料など簡易な印刷物であれば「平綴じ」、ページ数の多いカタログなどであれば「無線綴じ」といったように、印刷物の種類や用途、希望するコストや納期に合わせて、製本方法を選んでいきましょう。
とはいえ、やはりプロに依頼するのが一番安心で効率的です。
民間医局クリエイティブでは、専門用語に慣れていない医療機関の方にも、わかりやすくお伝えすることを心がけています。まずはお気軽にお問い合わせください!
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