パンフレットやWebサイトなどの制作中に、修正指示がうまく伝わらず苦労した経験はありませんか?
特にデザインの修正指示は意図が伝わりにくく、曖昧になりがちです。
ここでつまづいてしまうと進行や最終的なクオリティーにも影響が出てしまう可能性も…。そんな事態を避けるために、デザイン修正指示のコツを紹介していきます!
修正指示の基本:書き込んで指示をする
文章・デザインの修正指示は、出来上がったデザインのPDFをメールやクラウド上でやり取りすることが多いです。
PDF編集ソフトを使って修正したい箇所に指示を書き込む、もしくはPDFをプリントアウトした用紙に手書きで赤字を入れ、データに変換するなどしてメールやクラウド上で指示する方法があります。赤字を手書きで入れる場合は、丁寧にわかりやすい文字で書くように心がけます。
校正記号についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
【印刷用語解説#03】トルツメ・素読み・ひらくなど校正にまつわる用語を解説!
長い文章の差し替えの場合はより注意が必要です。デザイナーが手打ちで転載する場合は手間もかかり、誤字・脱字などのミスも起こりやすくなります。
長い文章の差し替え指示は、画像や手書きの文章ではなく、コピペができるWord・Excel・Power Pointなどのデータをいただけると、転載ミスの防止にもつながります。
分かりやすく、的確に伝えるデザイン修正指示
さて、ここからが本題です。
さきほど言ったとおり、デザインの修正指示は曖昧になりがちなうえ、素人だと何が正解なのか判断するのも難しいです。
実際の修正指示の例をもとに、どうすれば伝わる修正指示になるかを解説していきます。
できるだけ具体的に!
ここは一番のアピールポイントだからもっと文字を目立たせてほしい!という修正指示です。「文字を目立たせる」には主に4つのアプローチが考えられます。
- 文字の大きさを変える
- 文字の色を変える
- 文字に背景色をつける、あしらいをつける
- 目立たせたい文字だけにする(目立たせたい文字以外を削る)
「全てが重要な内容だけど、特にこの部分は強調してほしい」のと「他は重要ではないので、この部分だけを強調してほしい(他の部分は削ってもかまわない)。」のでは修正方法も異なってきます。
この場合、どのように目立たせたいのか具体的な指示をすることで、デザイナーが適切な手法を提案することができます。
「ここの色がしっくりこないから、色を変えてほしい」という修正指示はありがちかと思います。
ですが、皆さんもご存知のとおり、この世にはものすごい数の色が存在します。デジタルだと理論的には約1680万色の表現が可能と言われています。そのなかで理想どおりの色を指定するのは難しいですよね。
そもそも、プロのデザイナーは意味もなく配色することはありません。
病院のブランドイメージにあった色、心理効果を狙った色(例:わくわくする、集中力を高める)、見やすさを重視した色など、なぜその色を選んだのかには理由がある、というわけです。
もちろん「それでもなんかしっくり来ない!」ということはありますよね。
そんなときには「なぜその色がしっくり来ないか」を言語化してみてください。
暗く感じるのか、明るすぎるのか、フレッシュな印象を伝えたいのに落ち着いているように感じるのか…
このように依頼者が感じている違和感を教えていただければ、デザイナーの修正の手がかりになり、希望に沿った提案をしてもらえます。
「ここの写真を差し替えてほしい」も修正のあるあるです。写真は色よりも自分の希望がはっきりとわかっている場合が多いので、修正指示が出しやすいと思います。
- もっと笑顔で楽しそうな写真がいい
- 複数人が写っている写真がいい
- 右向きより正面の写真がいい
- 引きよりアップの写真がいい
- 〇〇が写り込んでいない写真がいい
などの具体的な希望を伝えてみてください。
ここで知っておいてほしいのが、「写真の選定にもデザイナーの意図が含まれている」ということです。
以下がその例です。
- 視線誘導の効果:被写体の視線の先に注目してほしいコンテンツを配置すると、ユーザーの視線を誘導することができる
- 余白を活用:キャッチコピーを重ねたり、ゆったりとしたイメージを与えるために、余白のある写真を選定
デザイナーに自分の要望も伝えつつ、制作物で達成したいゴールからブレがないか、を最終的な判断基準とするとよいでしょう。
制作物の「目的」を設定することの大切さについてはこちらの記事もチェック!
良いデザインとは?デザインでの失敗を防ぐためのコツを伝授
まとめ
以上、スムーズな修正指示のためのコツはこの一言にまとめられます。
Point
できるだけ具体的に。それが難しい場合はなぜそこを修正したいのか、ちょっとした理由づけを伝えることを心がける。
修正指示を出した理由も伝えることで、進行がスムーズになるだけではなく、デザイナーからより良い修正方法の提案や新たなアイデアを引き出すこともできます。それが制作物のクオリティアップにも繋がりますので、デザインの修正指示を出す際にぜひ心がけてみてください。
とはいえ、自分の要望を言語化するのもかなり高度な技術です……。
民間医局クリエイティブはこれまで、自治体から総合病院、クリニックまで約1,000件の制作実績があり、医療機関の皆さまの言語化のお手伝いも得意としております。広報物の制作をお考えでしたらお気軽にご相談ください。
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